しばたファミリークリニック|飯田市上郷|内科・外科・小児外科・皮膚科

外科・皮膚科

もくじ

(1)外科対象疾患

  • 外傷
    「切っちゃった」「ぶつけちゃった」
    必要に応じてレントゲン撮影を行います。当院で対応しきれないもの(開放骨折、偏位をともなった骨折など)はご紹介致します。
  • 熱傷
    皮膚移植を要するような重度のものに関してはご紹介致します。
  • 褥瘡(床ずれ)
  • 皮膚・皮下のしこり
    必要に応じて超音波検査を行います。
    切除希望の場合、局所麻酔で切除できる範囲のものは当院で行います。摘出検体は病理検査へ提出します。
  • 鼠径ヘルニア
    診察、ご説明を行います。手術希望の際はご紹介致します。

  • 排便時出血、痛み、脱出でお悩みの方・・・是非ご相談下さい。
 

(2)皮膚のかゆみ

かゆみが起こる仕組み
 
  • 皮膚に何らかの刺激
  • 肥満細胞から「ヒスタミン」が出る
  • 皮膚にある神経を刺激
  • その刺激が脳に伝わり「かゆみ」を感じる

Q.皮膚をかいてしまうと、さらにかゆくなるのは?

⇒皮膚をかいてしまうとヒスタミンがたくさん出るようになります。そのためかゆみはさらに強まり、皮膚の状態も悪化するという「かゆみの悪循環」に陥ります。

かゆみを引き起こす皮膚疾患
 

◎じんま疹

◎アトピー性皮膚炎

◎皮膚掻痒症

*掻痒(そうよう)=かゆみの事です。

  • 皮脂欠乏症(乾燥)・・皮膚表面の皮脂が少なくなり、皮膚の中の水分が減少して乾燥を生じてしまう病気です。皮脂膜が減ってしまったため、外的刺激が皮膚の奥にある神経に伝わることで、かゆみを起こします。
  • 糖尿病、腎疾患、肝硬変などの内臓疾患
  • 飲み薬などの薬剤が原因の事もあります

◎虫による皮膚炎

虫に刺されたり、咬まれたり、また毒をもつ虫にさわることによって皮膚炎が起こることがあり、その多くはかゆみ伴います。

*皮膚炎を引き起こす主な虫

  • 室内や家の周りにいる虫・・チャドクガ(幼虫)、ネコノミ、蚊、イエダニ、ムカデ
  • 屋外にいる虫・・ブユ類、アブ類、蚊、ハチ類、マダニ類
自分でできるかゆみ対策
 

◎スキンケア対策

  • 汗や汚れはシャワーで洗い流す

  • からだは、刺激の少ない石けんを使ってゴシゴシこすらず手でやさしく洗う
  • 熱いお湯での長湯はさける
  • 必要に応じて入浴後にすぐ保湿
  • 日焼け止めなどで紫外線の刺激を防ぐ

◎住環境対策

  • 部屋をこまめに掃除し、ダニやカビなどを取り除く
  • エアコンや暖房器具の使いすぎに注意
  • 乾燥しやすい冬季などは加湿器を利用して部屋の湿度を保つ

◎その他の日常生活での工夫

  • 衣服も刺激の少ない綿素材のものに
  • かゆいときは、その部分を冷たいタオルなどで冷やす
  • 爪を短く切り、皮膚を掻かないように心がける
【院長より】
柴田先生より
  • かゆみの治療は原因によって違うため、医療機関を受診し、正しい診断のもとに治療を受けることが大切です。
  • 原因が皮膚疾患の場合は「塗り薬」と「飲み薬」が主体になります。
    それに加えて、先ほどお示しした「自分でできるかゆみ対策」を是非行って下さい。
  • 症状が良くなってきても、治療は自己判断で途中でやめないで、必ず医師の指示に従って下さい。
  • かゆみで悩まれている方、是非一度受診して下さい!!

(3)じんま疹

 
 

突然、赤み(紅斑)をもった小さな皮膚のふくらみ(膨疹)ができる病気。

*膨疹・・じんま疹特有の発疹で、24時間(実際には数時間)以内に消えることが多い。別の場所に現れてはまた消える事を繰り返す。

  • ◎急性じんま疹:症状が1ヶ月以内に治まるもの
  • ◎慢性じんま疹:症状が1ヶ月以上続くもの。夕方~夜間に症状が出て、悪化することが多い。治療には数週間~数ヶ月以上かかることが多い。

身の回りのあらゆるものが原因になり得ますが、じんま疹の70%は原因を特定できない「特発性じんま疹」です。

◎じんま疹の原因になり得るもの

  • 食べ物・・魚介類、肉類、卵、乳製品、穀類、食品添加物 など
  • 薬・・抗生物質、解熱鎮痛薬 など
  • 植物・昆虫・・イラクサ、ゴム、ハチ など
  • 感染症・・細菌、ウイルス、寄生虫 など
  • 物理的刺激・・こすれ、圧迫、寒冷、日光、温熱 など
  • その他・・運動、発汗、ストレス など
治療
 

飲み薬で治療することが多いです。

  • 服薬スタート
  • 症状に合わせて薬の量を調整(効かなければ増量、症状が軽くなれば減量)
  • 症状が消えてもしばらく服薬を続ける

家でできること

  • 十分に休養をとって、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。
  • なるべく掻かないようにしましょう。
  • アルコールや香辛料などの刺激物で悪化することがあります。取り過ぎには注意しましょう。
【院長より】
柴田先生より
  • じんま疹は原因がはっきりしない事が多いので不安になるかもしれませんが、薬が効きやすく治療によって治る事が多いので、心配せずにまず医療機関を受診しましょう!!
  • じんましんの治療はあせらず気長に!!

(4)アトピー性皮膚炎

 
  • 皮膚にかゆみの強い湿疹ができ、それが良くなったり悪くなったりを繰り返す。
  • アトピー体質の人の皮膚に、環境的な要因が加わることで起こると考えられています。

治療
 

治療

アトピー性皮膚炎の症状を和らげ、次のような状態の維持を治療の目標にします。

治療目標

  • 症状は無いか、あっても軽く、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない。
  • 軽い症状は続くが、急激に悪化することはまれで、悪化しても持続しない。

治療の3本柱

  • ◎「原因・悪化因子の検索と対策」・・アトピー性皮膚炎のもとを突き止めて遠ざけること。
  • ◎「スキンケア」・・アトピー性皮膚炎により低下した皮膚機能を正常化するために必要なこと
  • ◎「薬物療法」・・強いかゆみをコントロールするために、炎症を抑える目的

塗り薬:ステロイド薬、免疫抑制薬 など
飲み薬:抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬 など

【院長より】
柴田先生より

アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返します。悪化しても落胆せず、悪化の期間をできるだけ短くするように一緒に治療を頑張りましょう!!

治療の自己中断は症状がぶり返す原因になります。医師の指示に従って下さい。

(5)ステロイド剤

 

ステロイド⇒もともと腎臓の上にある副腎という器官で作られるホルモンです。これを人工的に合成したものがステロイド剤で、炎症を抑える効果があります。
ステロイド剤には塗り薬と飲み薬があり、様々な病気の治療に使用されています。

◎ステロイド外用剤(塗り薬)

いろいろな剤形があります。

  • 軟膏・・刺激が少なく、ジュクジュクしたかき傷や、かさぶたになっている患部に適しています。
  • クリーム・・カサカサした、かき傷のない患部の使用に適しています。
  • ローション・・有毛部分や広範囲の使用に適しています。

ステロイド外用剤は、炎症に対する効果の強さによって5種類のランクに分類されています。

 

ステロイド外用剤の使い方

適量をきちんと塗りましょう。

適量の目安(軟膏・クリーム)

大人の人差し指の第1関節まで(2cm程)の量が約0.5gで、大人の手のひら2つ分の患部に塗るのが適量の目安とされています。

塗り方

  • ステロイド外用剤は1日1-2回適量を患部に塗ります。患部が清潔な状態が望ましく、皮膚への浸透性も高い事から、入浴やシャワー後に塗るのが効果的です。
  • 2、3日で症状が良くなったように見えても、皮膚に炎症が残っている場合がありますので、ステロイド外用剤を自己判断で中止すると炎症がぶり返してしまいます。

医師の指示を守って使用することが大切です。

ステロイド外用剤の減量について

症状が落ち着けば、ステロイド外用剤の使用を「1日おき」→「2日に1回」→「3日に1回」・・・「1週間に1回」と減らし、1週間に1回は今まで炎症があった部位に少量のステロイド外用剤を塗布し、再燃を予防するという方法があります。
これは、プロアクティブ治療と言われ、アトピー性皮膚炎の治療で主流になりつつあります。その際、保湿剤は毎日使用します。

ステロイド外用剤の副作用

ステロイド外用剤による副作用の多くは、薬を塗った部位に起こります。

  • 毛が伸びて濃くなる(多毛)
  • 皮膚が薄くなる(萎縮)
  • 皮膚が赤くなる(毛細血管拡張)
  • 皮膚の感染症が起こりやすくなる(易感染性)

一般的に、ステロイド外用剤の成分は皮膚から吸収されても血中へはわずかしか入りません。注射薬や飲み薬などで見られる全身性の副作用は、ステロイド外用剤を適正に使用していればまず起こりません。

【院長より】
柴田先生より
  • ステロイド剤というと様々な情報が氾濫していて「怖い薬」というイメージがあるかもしれません。
  • 怖がって塗る量を少なくしたり、自己判断で止めてしまう方がいますが、症状がぶり返したり、かえって患者さんにとって不利益な状態になりかねません。
  • 医師の指示に従って適切な量を使用することで治療効果を得ることができます。

(6)帯状疱疹

 
  • 体の左右どちらか一方にピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな 水ぶくれが帯状(おびじょう)にあらわれる病気です。
  • 水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。
  • 水ぼうそうにかかったことのある人なら誰でも帯状疱疹になる可能性があります。

帯状疱疹のしくみ

    • 初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した時は、水ぼうそうとし て発症します。
    • 水ぼうそうが治ったあとも、ウイルスは体内の神経節に潜んで います。
    • 加齢やストレス、過労などが引き金となってウイルスに対する免 疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが再び活動を始め、神経 を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。

 

  • 帯状疱疹は日常よくみられる病気の1つであり、我が国では年間約60万人に帯状疱疹の発症があり、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験すると推計されると報告されています。
  • 60歳代を中心に50-70歳代に多く見られる病気ですが、過労やストレスが引き金となり若い人に発症することも珍しくありません。
 

Q.帯状疱疹って人にうつるの?

帯状疱疹は、他の人に帯状疱疹としてうつることはありません。
帯状疱疹の患者さんから、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児などに、水ぼうそうとしてうつる場合があります。

症状の経過

  • ①神経に沿って、体の左右どちらか一方にチクチク、ピリピリする痛みが起こる
  • ②しばらくして、その部分が赤くなる
  • ③小さくて透明なみずぶくれが集まってでき、やがて濁って、時には黄色くなる
  • ④2-3週間で黒褐色のかさぶたとなり、4-6週間くらいでかさぶたが取れて治ってくる
  • ⑤痛みは皮膚の症状と一緒に消えていく。まれに痛みが続くことがある。=帯状疱疹後神経痛
    (急性期痛は皮膚や神経の炎症によるものですが、帯状疱疹後神経痛は神経の損傷によるものです。)
 

治療

  • 抗ウイルス薬・・内服薬が一般的。重症の場合は入院して点滴することもあります。抗ウイルス薬は効果が現れるまでに2-3日かかります。飲み始めてすぐに効果が現れなくても、服用を継続して下さい。
  • 塗り薬・・皮膚を保護したり、皮膚の再生を促したり、細菌による二次感染を防ぐために使われます。
  • 鎮痛薬・・痛みを残さないためにも、痛みに対する治療は需要です。
  • 神経ブロック・・神経の周りに直接局所麻酔薬を注射する方法です。痛みがとても激しい場合に行われます。

◎決められた用法・用量を守ってきちんと使用しましょう。自己判断で薬を止めないようにして下さい。

生活の注意

  • 帯状疱疹は、精神的にも肉体的にも疲れた時に出てきます。十分な栄養と休養をとるようにしましょう。
  • 入浴はして構いません。(帯状疱疹の痛みは温めると軽減することが多く、湯船に入った方が痛みが和らぐ事が多いようです。)石けんも使用しても構いません。入浴後は清潔なタオルで軽く押さえるように水分を取りましょう。塗り薬をもらっている場合は入浴後に塗布して下さい。
  • 消毒は不要です。
  • アルコールは血管を拡張させて炎症をひどくしてしまう事があります。皮膚や神経が炎症を起こしている間はお酒は控えた方が良いでしょう。
【院長より】
柴田先生より
  • 帯状疱疹は痛みを伴います。
  • 帯状疱疹後神経痛にならないためにも、しっかり治療する必要があります。
  • 「おかしい」と思ったら早めに医療機関を受診しましょう。
  • 出されたお薬はしっかり服用しましょう。

(7)ニキビ(尋常性ざ瘡)

 

ニキビの原因

  1. 皮脂の分泌が盛んになる・・性ホルモンの分泌が思春期に活性化したり、ストレスなどが原因で過剰に  なったりすると、毛穴の奥の皮脂腺から皮脂がたくさん分泌されます。
  2. 毛穴がつまる
  3. アクネ菌が増殖する・・アクネ菌は誰もが持っている肌の常在菌。毛穴がつまり、皮脂が充満した中で増 えていきます。増殖したアクネ菌はニキビの炎症を引き起こします。

ニキビの経過

 

ニキビの悪化因子

  • 月経前
  • 間違ったスキンケア
  • 睡眠不足
  • ストレスによるホルモンバランスの乱れ
  • 便秘
  • 不規則な生活
  • 乾燥肌(ドライスキン)

ニキビができやすい部位

=皮脂腺が発達している部位 (顔、前胸部、上背部)

治療

  • 塗り薬が主体です。
  • 赤ニキビ、黄ニキビがひどい時は飲み薬も使用します。
  • ニキビは慢性疾患で、治療を継続しないと繰り返します。
  • 場合によっては長期の通院となるかもしれません。
  • 根気よく治療することが重要です。
ニキビ肌のスキンケア
 

◎メイク落とし(クレンジング)

メイクによる毛穴の閉塞はニキビ悪化の原因になります。帰宅後はすぐにメイクを落としましょう。

◎洗顔

洗顔によって、余分な皮脂と汚れ、毛穴をふさぐ角質を落とします。洗顔は朝晩1日2回が基本です。 洗顔料をしっかり泡立て、肌をこすらず泡でやさしく洗います。洗顔料が残らないよう、特に髪の生 え際など良く洗い流しましょう。洗顔時にニキビをつぶさないようにしましょう!!

◎保湿

化粧水・・洗顔後は特に水分が蒸発して乾燥します。化粧水を手のひらにとり、顔をやさしく押さえるようにして肌になじませましょう。

美容液・乳液・保湿剤・・化粧水の後に、保湿効果の高いノンコメドジェニックな美容液や乳液、保湿剤を使用しましょう。

◎紫外線に対するケア

日頃から紫外線に対するケアをしましょう

*ノンコメドジェニック製品→ニキビができにくいことを確認している化粧品
当院では、ノンコメドジェニック製品のサンプルを用意しております。

ニキビを悪化させないライフスタイル
 

◎頭髪・衣服

自宅にいる間は、額やあごに頭髪が触れないように、ヘアピンやヘアバンドで前髪を上げ、髪をまとめましょう。
衣服はできるだけ肌触りがよく、あごにふれないものを選びましょう

◎入浴・シャワー

毎日の入浴・シャワーで肌を清潔に保ちましょう。リンスやトリートメントなどが首元や背中に残らないように、洗髪後に顔や体を洗いましょう。

◎食事

特定の食品がニキビを改善または悪化させるという根拠はありません。規則正しい食生活を心がけ、バランスの良い食事をしましょう。
*チョコレートを食べてもニキビの症状に影響を及ぼさなかったという試験結果があります。

◎睡眠

睡眠不足は体調不良の原因になり、ニキビの悪化につながりますので、十分な睡眠をとりましょう。

◎ストレス

自分なりのリラックス法でストレスの少ない生活を送りましょう。

【院長より】
柴田先生より
  • 「ニキビで病院受診?」と思うかもしれませんが、ニキビのお薬も様々なタイプのものが発売になり、治療の幅が拡がっています。まずは受診してみて下さい。
  • ニキビは慢性疾患で、治療を継続しないと繰り返します。根気が必要ですが、一緒に治療しましょう!!

 

外科・皮膚科 南信唯一の小児外科専門医。女性医師なので女性特有の悩みの相談もしやすく、乳腺の診察・検査も行っています。また巻き爪やタコ、静脈瘤など足に関するお悩みもご相談下さい。

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