しばたファミリークリニック|飯田市上郷|内科・外科・小児外科・皮膚科

乳腺・内分泌(甲状腺・副甲状腺)

はじめに・・

  • 乳腺疾患、甲状腺疾患は女性に多い疾患です。その点を配慮しながら、診察・検査を行っています。
  • もちろん、男性の患者様も対象としておりますので、お気軽にご相談下さい。
  • ドッグや検診で異常所見を指摘された場合、まずご連絡下さい。
  • また、乳腺は表在の臓器であり、自分で気づく事のできる場所です。自己検診して気になることがあればまず一度いらして下さい。
  • 乳がん検診は定期的に受けましょう。また、月1回は自己検診をしましょう。
  • 飯田病院病理診断科と連携を図り、細胞診組織診を行える環境を整えています。
 

もくじ

(1)乳がん自己検診のすすめ

 

1か月に1回の自己検診を習慣にしましょう。

<オススメの自己検診時期>

【閉経前の方】 月経が終わってから1週間後
この時期は乳房の張りが引き、やわらかくなっているので、しこりが分かりやすくなります。
【閉経後の方】覚えやすい日を決めての自己検診を

変化に気づいたら、医療機関を受診しましょう!!

1)視診

乳房を鏡で見てチェックしましょう

【視診のチェックポイント】

  • 大きさ(腫れていないか)
  • ひきつれ
  • えくぼ(へこみはないか)
  • 乳頭の位置
  • 皮膚の色(赤くないか)
  • ただれていないか
  • かさぶたはないか
  • 湿疹はないか
    など

2)触診

調べる乳房側の腕を上げ、親指以外の4本の指の腹で、やや押し気味に(でも、強く押さないように)触っていきます。

【触診時のコツとポイント】

  • 入浴時に手に石けんをつけたり、就寝前に仰向けに寝て触ると、乳房の凸凹がよくわかり、しこりなどの変化が見つけやすくなります。(湯船につかって触ると分かりやすいという人もいます。)
  • 乳房や乳頭を絞るようにして、乳頭から分泌物がないかを調べます。
  • 分泌物に血液が混じっていないか確認します。

《いずれかの方法で》

院長より
柴田先生より
  • いつも気にして触っていると、かえって変化に気づきにくい事があります。
  • 1ヶ月に1回決まったタイミングで自己検診しましょう。
  • 変化や異常に気づいたら、医療機関を受診しましょう。
  • 「この位で受診していいのかな?」「もしも違ったら恥ずかしい・・」などと思うかもしれませんが、「大丈夫」という事を確認するのも大切です!!気になったらすぐに受診を!!
  • 当院は女医、女性検査技師です。恥ずかしがらずにまずご相談下さい!!

(2)乳がんを見つける・診断するための検査

◎乳がんを見つけるための検査
 

問診

  • どのような症状がいつ頃からありますか?
    (しこり、皮膚の変化、分泌物、痛みなど)
  • 月経の周期によって症状に変化はありますか?
  • 家族で乳がんにかかった人は?
  • 出産・授乳の経験は?
  • 月経の周期によって症状に変化はありますか?
  • 閉経の時期は?
  • 乳がん検診や自己検診をやっていましたか?

視触診

[見て調べる検査]

  • 左右の乳房の大きさ、形、乳頭の位置は同じか?
  • 皮膚にくぼみ、ひきつれ、赤みがないか?
  • 乳頭からの分泌物がないか?

[触れて調べる検査

  • しこりがないか?
    (しこりの場所、大きさ、硬さ、境目など)
  • 乳頭からの分泌物がないか?
  • 脇の下のリンパ節は腫れていないか?

マンモグラフィ

乳房のエックス線検査です。触っても分からない小さなしこりやごく初期の乳がんに みられる微細な石灰化を見つけることができます。
乳腺をはっきり写すには乳房をはさんで平らにする必要があり、多少の痛みを伴うかもしれません。

超音波検査

超音波をあてて乳房内の断面を写す検査です。小さなしこりを見つけ、その形や 境目の性状、内部の構造まで確認することができます。
40歳未満の女性は乳腺の密度が高く、マンモグラフィではがんが発見しにくいため、 超音波検査が適しています。

その他(乳管造影、MRI・CT、腫瘍マーカー)

◎乳がんを確かめるための検査
 

細胞診

細胞を採取して、がん細胞かどうかを顕微鏡で調べる検査
穿刺吸引細胞診・・しこりに細い針を刺して細胞を吸い取る 触診や超音波で位置を確認しながら採取します
分泌物細胞診・・乳頭から分泌物がある場合、分泌物の細胞を採取する

組織診

太い針やメスを使ってしこりの組織を採取する検査
針生検・・細胞診よりやや太い針のついた器具を使う
マンモトーム生検・・針生検よりさらに太い針のついたマンモトームという 吸引機能のある器械を使う
外科的生検・・メスで切開する。検査の傷跡が残るが、小さなしこりは全部 取ってしまう事が可能

院長より
柴田先生より
  • 「検診で引っかかった」「自己検診で気になることがある」・・そんな時は迷わず受診しましょう。
  • 当院では、まずはお話を伺わせて頂き、視触診→超音波検査→必要に応じて細胞診や組織診という流れで行っています。
  • 当院は飯田病院病理診断科と連携を図り、細胞診、組織診が行える環境を整えています。
    (細胞診、組織診は受診日と別日に予定を組ませて頂くことが多いです。)

(3)乳がんと似た症状の疾患

 

乳腺症

30~40歳代に多い、女性ホルモンが関係する乳腺の良性疾患です。
乳房のしこり、痛み、乳頭分泌物があります。月経の周期によって症状が変化するのが特徴です。

乳腺炎

細菌感染によって乳房に炎症が起きる病気です。
乳房が赤く腫れたり、痛み、膿、しこりなどがあります。授乳期の女性に多く見られます。

乳腺線維腺腫

10歳代後半~30歳代に多い、乳房の良性腫瘍です。
比較的やわらかいしこりができ、触れるとよく動きます。しこりの境界ははっきりしています。

乳管内乳頭腫

30歳代後半~50歳代に多い、乳管の中にできる良性腫瘍です。
血の混ざった乳頭分泌物が出ることがあります。腫瘍が大きくなると、しこりとして分かります。

葉状腫瘍

乳腺線維腺腫に似ていますが、しこりが急に大きくなるのが特徴です。
大きくなったり、中には悪性のものもあるため切除します。

院長より
柴田先生より
  • 「しこり」=「乳がん」ではありません。
  • 乳がんと区別が難しい病気もあるので、その時には細胞診や組織診、手術による摘出を行います。
  • 乳がんでは無い場合も経過観察は致します。

(4)甲状腺って??

 

◎甲状腺の位置とかたち

  • のどぼとけの下に位置し、蝶が羽を広げたような形をしており、重さは 約10~15gと小さく、とてもやわらかな臓器です。
  • 甲状腺は正常な時には触って確認することはほとんどできませんが、 腫れたり、しこりができると異常に気がつくことがあります。

◎甲状腺の働き

  • 甲状腺は食べ物に含まれるヨウ素(ヨード)を材料にして甲状腺 ホルモンをつくり、分泌、保存する働きをしています。
  • 甲状腺ホルモンは、血液の流れに乗って全身の細胞に働きか け、新陳代謝を活発にする働きをしています。
  • また、骨や神経、精神状態にも関わり、子供の成長や発育を 促進するなど、人間が生きていくうえで必要なホルモンです。

(5)甲状腺機能亢進症・甲状腺中毒症

甲状腺ホルモンが多すぎると・・
 

全身の代謝が高くなり、心臓の動きが活発になり、少し動いただけでも脈拍が上がります。腸の働きが良くなりすぎて下痢を起こしやすく、 食欲はあるのに痩せていったり、神経が高ぶるため気持ちがイラつき、 早口で興奮しやすくなったりします。

◎診断

甲状腺機能検査・・血液検査でホルモンの濃度を測定します。
*血液検査で甲状腺を攻撃する抗体が無いか調べることもあります。
画像検査・・超音波検査、放射性ヨード摂取率検査

◎治療

甲状腺機能亢進を起こしている原因により治療法を決定します。
内服治療がメインですが、放射性ヨードを経口投与する方法や手術が選択される事もあります。

(6)甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンが少なすぎると・・
 

いつもだるくて眠くなったり、食欲が減退し、寒がりになります。また、物忘れが多くなったり、子供の場合は発育不全を起こすこともあります。

◎診断

甲状腺機能検査・・血液検査でホルモンの濃度を測定します。

◎治療

甲状腺ホルモンの補充・・経口薬がメインです。

院長より
柴田先生より

甲状腺機能亢進症も低下症もまず疑って検査をすることが必要です。
(例えば、動悸を主訴に来られた患者さんに心臓ばかり調べていたら、甲状腺機能亢進症だった・・など)
イラストのような症状が当てはまる場合には、是非受診して下さい!!

(7)甲状腺のしこり

 

超音波検査や細胞診で確認します。

◎良性のもの

  • 腺腫様甲状腺腫・・甲状腺の細胞が増殖(過形成)してしこり状に発達しているもの。
  • 濾胞腺腫・・悪性と鑑別困難な場合には手術適応になります。
  • 嚢胞
  • 機能性結節・・甲状腺結節が自律的に甲状腺ホルモンを分泌するもの。
    など

◎悪性のもの

  • 甲状腺癌
    乳頭癌・・最も多く80-90%を占める。10年生存率は90%以上。予後の良い癌。
    濾胞癌・・4-8%。肺や骨に転移することがある。10年生存率は80%前後。
    髄様癌・・1-2%。
    未分化癌・・1-2%。悪性度が高い。
  • 悪性リンパ腫
    など

「良性のしこり」に手術を考慮する因子

  • 大きな腫瘤
  • 増大傾向
  • 圧迫症状が強い場合
  • 美容上気になる場合
  • 悪性との鑑別困難
  • 機能性結節の場合
    など
院長より
柴田先生より
  • 最近は肺がん検診で行うヘリカルCTや、頸動脈エコーの際に甲状腺のしこりが発見される事が多くなっています。
  • 甲状腺のしこりはよっぽど大きくならない限り、無症状の事が多いです。
  • 検診で指摘されたら受診するようにしましょう!!
  • 超音波検査で悪性が疑われる場合、両悪性はっきりしない場合には細胞診を行っています。
  • 甲状腺の場合、細胞診で「悪性疑い」は手術適応になります。
  • 良性の場合でも、3cmを超える時には手術を勧めています。

 

 

乳腺・内分泌 南信唯一の小児外科専門医。女性医師なので女性特有の悩みの相談もしやすく、乳腺の診察・検査も行っています。また巻き爪やタコ、静脈瘤など足に関するお悩みもご相談下さい。

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